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“小児製剤ハンドブック”発刊に際して、公益社団法人日本薬剤学会 小児製剤フォーカスグループより  

 本書を手にとる読者の皆様は、これから小児製剤を設計される方なのでしょうか、あるいは医療現場で患児のために日々調剤をされていてより良い投薬方法を検討されている方なのでしょうか。どのような立場の方でも、子どもが嫌がる苦い味の薬剤を提供したいとはきっと思わないでしょう。病気の子ども達に少しでも服用しやすい薬を届けたいという願いはみな同じであると思います。小児製剤は成人用の製剤に比べて非常に数が少ないため、設計や開発に携わった人も少ないと言われています。小児用製剤を設計・開発しようとした研究者が少ない情報しか入手できずに困ったと思った時に、少しでもその背中を後押しし、小児薬の開発が進むことを願って本ハンドブックを編集しました。監修を引き受けてくださった石川洋一先生に本書の内容について相談した際、日々小児薬物療法に尽力されている薬剤師が読んでも面白いと思ってもらえる情報も収載してはどうかとのアドバイスをいただいたおかげで、幅広い分野の先生方に執筆をお願いすることができました。製剤研究者のみならず薬剤師にも小児製剤に興味をもっていただければ幸いです。

 小児製剤を設計する上でまず知らなくてはいけないのは、現状で病気の子どもたちはどんな薬にどんな風に困っているか、また医療関係者は小児薬物治療においてどんな困難を抱えているか、そして臨床現場でどのように対応されているかだと思います。そこで病院および在宅医療で小児薬物療法を支援する薬剤師をはじめ、小児の看護をしながら心理的サポートも行うチャイルド・ライフ・スペシャリストに臨床現場の問題について紹介いただきました。次に、医薬品医療機器総合機構の佐藤淳子先生には、小児薬開発に関する規制動向および世界の取り組みについて解説いただきました。様々なメーカーの研究者および大学の先生方からは子どもが服用しやすい製剤技術について紹介いただきました。また、服用性に大きな影響を与える薬剤の味についてはこの分野で早くから長年にわたり研究されておられる武庫川女子大学の内田享弘先生に解説いただきました。さらに、小児の摂食嚥下機能の知識および生物薬剤学的視点も製剤設計を行う上で非常に重要と考え、日本歯科大学の田村文誉先生ならびに一連のFG設立当初から支援してくださっている摂南大学の山下伸二先生にご教示いただくことができました。もちろん製剤設計に必要な添加剤や製造技術情報も収載しました。小児薬で欠かすことができない用量を調節するデバイス、誤飲防止を考えた包装も忘れてはいけません。そして世界からも注目されつつある服薬補助ゼリーは名城大学名誉教授の砂田久一先生に紹介していただきました。スペースの都合上、執筆いただいた方全員をご紹介できないのがたいへん心苦しいのですが、本ハンドブックにおいて小児製剤設計に役立つ知識・情報を惜しみなくご執筆くださった先生方に心より感謝申し上げます。

 本書は、公益社団法人日本薬剤学会・小児製剤フォーカスグループが編集しましたが、ハンドブック発刊の企画は前身の個別化製剤フォーカスグループからでした。製剤研究者であるからには、病に苦しむすべての患者さんの服薬アドヒアランス向上にできる限り貢献したいという思いで編集を行いました。この本が少しでも小児製剤の発展に寄与することをメンバー一同心から願っています。

小児製剤ハンドブック.jpg

 

 

編著:石川 洋一/監
   公益社団法人日本薬剤学会 小児製剤フォーカスグループ/編
定価(本体6,400円+税)/A4変型判/184頁/2020年9月刊

 

 

※ご購入はじほうホームページ

 

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