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  • レギュラトリーサイエンス エキスパート研修会 認定コース 2019年度 薬害教育エキスパート研修講座 -教訓を如何にリスク最小化のために活かすか-

11月18日(月)~20日(水)、12月2日(月)~3日(火)
レギュラトリーサイエンス エキスパート研修会 認定コース
2019年度 薬害教育エキスパート研修講座
-教訓を如何にリスク最小化のために活かすか-

主催者より
 近年、重篤な疾患に対して顕著な有効性を示す切れ味の鋭い医薬品が次々と開発され、医療の場に提供されています。医薬品は、有効性と安全性のバランスの上に使用されるものであり、副作用のないものはありません。そのため、切れ味の鋭い医薬品は特に適正な使用(リスク最小化策の確実な実行)が重要です。わが国では、これまで「薬害事件」として大きな社会的関心を呼んだ健康被害事例を繰り返し経験し、その教訓は薬事制度の見直し等に活かされてきています。
 当財団では、約10 年前から、薬害事件の教訓を次の世代に継承すること等を目的として、各種研修会の開催や出版物の発行、DVD の制作等の活動を続けてまいりました。2010 年度からは、「薬害教育」に特化した研修講座を毎年開催し、戦後の代表的な薬害事件について、被害者の方々から生の声を聴くこと等により、薬害事件の経緯、なぜ防止できなかったのか、再発防止に向けた教訓は何か、教訓は現在の薬事制度に如何に活かされてきたか、薬害問題を今後の安全対策・リスク管理に活かすための課題は何か等について、系統的に研修する機会を提供してまいりました。
 2019年度の前半3 日間は例年どおり、被害者・被害者家族の方々、薬害事件を直接担当された弁護士や報道関係者、薬害問題や企業リスク管理等に詳しい弁護士・医師等を講師としてお迎えし、ご講演いただきます。薬害事件の教訓を企業や教育の場を通して如何に活かすか、企業や薬事行政担当者、医療関係者等が薬害事件から何を学び、如何に再発を防止すべきかについて考えることができる内容となっております。また、後半2 日間は海外の薬害を学びつつ安全性評価がどのように進歩し、ベネフィット・リスクバランス評価へと発展したか、患者はどう係わればよいのかさらに、リスク最小化策の欧米の成功例から薬害防止のヒントを学んでいただける研修講座を企画いたしました。つきましては、製薬企業や医療機器企業の方、医療関係者、教育関係者、行政関係者等幅広い方々にご参加をいただき、日常の業務に活かしていただきますようお願い申し上げます。
 なお、各分野のレギュラトリーサイエンス エキスパート認定者の方は、無料でこの研修講座の前半3日間(11月18日~20日)を受講できます。是非この機会に過去に起きた薬害について学んでください。

開催概要
 日時:2019 年11 月18 日(月)~20 日(水)
    2019 年12 月 2 日(月)~ 3 日(火)
    (受付開始予定 各日開講30 分前)
 会場:日本薬学会 長井記念ホール
    東京都渋谷区渋谷2-12-15 地下2階
    (https://www.pharm.or.jp/hall/access.html
 対象者:製薬企業・医療機器企業の安全性業務、法務・経営企画・広報・開発・薬事担当者、医療関係者、
     教育関係者、行政関係者、一般の方で薬害教育に関心をお持ちの方。
 募集人員:200 名
 申し込み:https://www.pmrj.jp/kenshu/html/frm030.php
 主 催:一般財団法人 医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス財団
 後 援:日本製薬団体連合会 米国研究製薬工業協会(PhRMA) 公益財団法人MR 認定センター
     日本製薬工業協会 欧州製薬団体連合会(EFPIA Japan) 日本CSO 協会
     公益社団法人東京医薬品工業協会 一般社団法人日本CRO 協会 一般社団法人日本医療機器産業連合会
     関西医薬品協会 一般社団法人日本医薬品卸売業連合会
     一般社団法人米国医療機器・IVD工業会(AMDD)
     日本OTC 医薬品協会 公益財団法人ヒューマンサイエンス振興財団 一般社団法人ARO 協議会
     日本ジェネリック製薬協会
 
 ※受講料、単位等、詳細はこちら(PDF)をご覧ください。

プログラム【内容およびスケジュール】
① 11 月18 日(月)
10:00~10:20 イントロダクション、認定制度の概要
        土井 脩(医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス財団理事長)
        東宮 秀夫(医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス財団研修事業本部長)
10:20~12:00 第1 講:薬害研修の目的、到達目標、戦後の薬害事件の概要と教訓、
        教訓は如何に現在の薬事制度に活かされているか
        土井 脩(医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス財団理事長)
12:00~13:05 休 憩(昼 食)
13:05~13:35 第2 講:サリドマイド事件・被害者の立場から
        間宮 清★) (日本慢性疾患セルフマネジメント協会普及・広報委員)
13:35~14:05 第3 講:スモン事件(キノホルム事件)・被害者の立場から
        辻川 郁子(スモンの会全国連絡協議会事務局長)
14:05~14:15 休 憩
14:15~15:00 第4 講:薬害被害者の声をいかに薬害防止に活かすか・被害者団体の立場から
        栗原 敦★) (独立行政法人医薬品医療機器総合機構運営評議会救済業務委員会委員、
             MMR 被害児を救援する会事務局長)
15:00~15:10 休 憩
15:10~16:40 第5 講:日本の薬害事件から学ぶ・医師の立場から
            ―スモン事件・サリドマイド事件・クロロキン事件―
        杉山 孝博★) (社会医療法人財団石心会川崎幸クリニック院長)

② 11 月19 日(火)
9:30~10:30 第6 講:過去の薬害の教訓を如何に医療制度改革などに生かすか・被害者の立場から
        花井 十伍(ネットワーク医療と人権理事)
10:30~10:40 休 憩
10:40~11:40 第7 講:薬害と報道、報道機関への対応の在り方・マスメディアの立場から
        辰濃 哲郎(ノンフィクション作家)
11:40~12:40 休 憩(昼 食)
12:40~13:10 第8 講:薬害肝炎事件・被害者の立場から
        浅倉 美津子★) (薬害肝炎全国原告団代表)
13:10~13:55 第9 講:企業における薬害教育支援のためのRS 財団の取り組み
            RS 財団におけるレギュラトリーサイエンスエキスパート認定制度について
        秋山 典子(医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス財団渉外担当特命理事長付)
13:55~14:25 第10 講:被害者からみた筋拘縮症事件
        小田 美也子★) (薬害筋短縮症の会事務局薬害教育情報担当兼北海道・東北地域委員)
14:25~14:35 休 憩
14:35~16:05 第11 講:薬害事件と訴訟・如何に円満に解決するか・法律家の立場から
        鈴木 利廣(弁護士、薬害オンブズパースン会議代表)
16:05~16:15 休 憩
16:15~16:45 第12 講:被害者家族から見た陣痛促進剤による被害
        勝村 久司★) (全国薬害被害者団体連絡協議会副代表世話人)

③ 11 月20 日(水)
9:30~11:00 第13 講:感染症対策におけるワクチン接種の重要性・医師の立場から
        岡部 信彦(川崎市健康安全研究所所長)
11:00~11:10 休 憩
11:10~11:40 第14 講:イレッサ事件・被害者の立場から
        近澤 昭雄★) (イレッサ薬害被害者の会代表)
11:40~12:10 第15 講:MMR ワクチン事件・被害者の立場から
        上野 秀雄★) (MMR 被害児を救援する会)
12:10~13:10 休 憩(昼 食)
13:10~14:40 第16 講:過去の薬害事件などから何を学び、その教訓を如何に継承すべきか
            ・弁護士の立場から
        中島 晃(京都市民共同法律事務所弁護士、薬害イレッサ西日本弁護団長)
14:40~14:50 休 憩
14:50~15:20 第17 講:CJD 事件・被害者の立場から
        中野 裕子★) (ヤコブ病サポートネットワーク副代表・相談員)
15:20~16:50 第18 講:新薬で薬害事件を起こさないために・ソリブジン事件とイレッサ事件を
             教材として開発から市販後までの問題点を解析する
        土井 脩(医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス財団理事長)

④ 12 月2 日(月) 欧米における薬害事件とベネフィット・リスクバランス評価から学ぶ
 欧米諸国においても市場から撤退した薬剤は数多い。市場撤退する理由としては、①承認時では判明しなかった重大なリスクが市販後に判明したこと、②リスクが判明していても副作用軽減策が機能しなかったこと、③その結果としてのベネフィット/リスクバランスの評価結果から市場撤退を余儀なくされる事例が殆どである。一部には市場撤退した後もリスク管理を行うことにより、再度市場に戻る事例も散見される。海外におけるいくつかの事例からそれぞれの教訓をどう活かしてきたか、最近の安全性評価はどのように進歩しているかについて学ぶ。

10:00~12:00 第19 講:海外の薬害 -市場撤退した事例と復活した事例
             市場撤退した事例:PPA(脳卒中リスク)、シサプリド・アステミゾール(相互作用)、
             トログリタゾン(肝障害)、リモバナント(自殺)、COX 阻害剤・炭酸ストロンチウム
             (心血管系リスク)
             撤退から再上市した事例:クロザピン(血液障害)、サチンドール・ロシグリタゾン
             (心血管系リスク)、アロセトロン(虚血性大腸炎)
        古閑 晃(医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス財団参事)
12:00~13:00 休 憩(昼 食)
13:00~14:00 第20 講:受動的な安全性監視から能動的な安全性監視の時代へ
            -海外における安全性評価の動向を中心に(PDUFA の変遷とARIA)
        宮崎 真★) (MSD 株式会社グローバル研究開発本部
             ファーマコビジランス安全対策部アソシエートディレクター)
14:00~15:00 第21 講:市場撤退医薬品のベネフィット・リスクバランス(B/R バランス)評価の具体的事例
            -主にEU PROTECT (Pharmacoepidemiological Research on Outcomes of
                      Therapeutics by a European Consortium) の成果から-
        栗山 和也(日本製薬工業協会医薬品評価委員会ファーマコビジランス部会)
15:00~15:20 休 憩
15:20~16:50 第22 講:医薬安全行政を如何に患者中心のものにさせるか・医薬品情報を
             如何に科学的に評価するか・医師の立場から
        別府 宏圀★) (ソーワ町田クリニック院長、薬害オンブズパースン会議副代表)
16:50~17:50 交流会

⑤ 12 月3 日(火) リスク最小化策の成功例から薬害防止を学ぶ
 重大なリスクを有していてもリスク最小化策が機能することにより、ベネフィット/リスクバランスを保つことは可能である。米国では2007 年以降REMS が導入され、着実な進展を遂げている。日欧でもそれぞれの状況に応じた方法によりリスク最小化策を講じてきた。それぞれの利点を活かすことにより、患者を守るためのリスク最小化策のあるべき姿を議論し、薬害防止を学ぶ。

9:30~11:00 第23 講:米国におけるREMS の進展と最新の事例について-Palinziq の開発から承認まで-(仮題)
        Dr. James Nickas(Vice President, Pharmacovigilance and Clinical Medical Writing,
                 BioMarin Pharmaceutical Inc.)
11:00~11:10 休 憩
11:10~11:50 第24 講:レナリドミド、ポマリドミドのリスク最小化策の現状と今後の課題について
        山田 麻代(セルジーン株式会社研究開発本部安全性統括部リスクマネジメント・レブメイト部マネージャー)
11:50~12:50 休 憩(昼 食)
12:50~14:50 第25 講:日米欧のリスク最小化策の現状比較/適切なツールの選択/有効性評価は
             どうあるべきか 成川班報告より
        前田 玲(日本イーライリリー株式会社セーフティプランニング)
14:50~15:00 休 憩
15:00~16:00 第26 講:医療現場から見たリスク最小化策/患者用パンフレット等の資材の評価と企業に望むこと
        林 昌洋(虎の門病院薬剤部長)
16:00~16:10 休 憩
16:10~17:00 第27 講:総合討論
        パネリスト:宮崎 真、栗山 和也、山田 麻代、前田 玲、林 昌洋
        共同司会:古閑 晃(医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス財団参事)
        小山 弘子(医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス財団参事)

* ★) の講師は、レギュラトリーサイエンス エキスパート認定者(薬害教育分野)。 (敬称略)
* 講義の最後に5~10 分程度質疑応答の時間を設けることがあります。
* 演題、講師、時間、会場等一部変更する場合もありますので、予めご了承ください。
* 最終日の受付時に受講証明書をお渡し致します。

 ※講演スケジュール等は変更される場合がございます。      

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