10月9日(水)
第2回DIA メディカル・コミュニケーションワークショップ
CTDからリスク最小化資材へ
‐ 医薬品の適正使用のために部門を越えてすべきことは ‐
●開催趣旨
患者さんが最適な治療を得るためには、ベネフィットとリスクに関する医薬品情報が医療関係者に十分理解された上で、医薬品が患者さんに適切に使用される必要があります。製薬企業や規制当局から発信される医薬品情報は、種々の情報媒体を通して、様々な立場の方に受け取られています。しかし、これらの医薬品情報は、一貫したメッセージとして伝達され、正しく解釈されているでしょうか。患者さん中心の医療の促進、インターネット等による情報量の増加と入手方法の多様化、国民への透明性や説明に関する社会的責任の増大等により、医療関係者、製薬企業、規制当局の間でのメディカル・コミュニケーションは、ますます重要さを増してきています。
メディカル・コミュニケーションで使用する様々な文書の多くは、医薬品の承認申請資料であるコモンテクニカルドキュメント(CTD)を基に作成されています。CTDの中には、添付文書やその根拠となる臨床試験成績及びベネフィットリスクバランスの評価など重要な情報が含まれています。しかしながら、CTDとRMP、添付文書及び適正使用のための資材の文書間には、文書の目的の違いや、作成過程、承認申請中の経過により、本来あるべき一貫性がとられていなかったり、一貫性がとられているものの、本来必要な一貫性であるのか疑問が残るケースもあります。
本ワークショップでは、CTD、RMP、添付文書及び適正使用のための資材のそれぞれの文書が作成される目的、作成過程及び読み手がどのように利用するかを理解し、さらに文書間のつながりを理解することで、企業の各文書の作成担当者や規制当局の立場で患者さんが最適な治療を得るために自分自身がすべきことを考え実行できるようになることを目的に企画しました。また、医薬品情報を使用される医療関係者の方々にも、審査や承認申請の準備の段階でどのような目的で、どのような過程を経てどの文書にどのような情報が掲載されているかをご理解いただくことは、医療関係者、製薬企業及び規制当局の間でのコミュニケーションの前提として非常に重要なことであると考えております。
本ワークショップでは、製薬企業からCTD、RMP又は適正使用のための材作成の各視点、規制当局から審査の視点、さらに臨床現場の視点からの講演を通して、現状の課題及び事例を共有し、グループディスカッションを通じて議論します。また、本ワークショップ後にも本テーマについての意見交換の場として、情報交換会の時間を設けました。
●開催概要
日時:2019年10月9日(水)
会場:日本橋ライフサイエンスビルディング2階
〒103-0023 東京都中央区日本橋本町2-3-11
(https://www.nihonbashi-lifescience.jp/#access)
主催:DIA Japan
申し込み・詳細:https://www.diaglobal.org/Tools/Content.aspx?type=eopdf&file=%2fproductfiles%2f7781225%2f19315%2Epdf
●プログラム
9:00 - 9:20 参加受付
9:20 - 9:25 開会の挨拶
DIA Japan 植村 昭夫
9:25-9:35 イントロダクション
プログラム委員長/MSD株式会社 津森 桂子
9:35-10:35 講演1: 承認審査の流れと関連文書
座長 ファイザー株式会社 山﨑 世紀
PMDAの承認審査におけるリスク最小化活動の検討について(仮題)
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 奥平 朋子
CTDの構造と適切な情報の流れ、作成上の課題、事例紹介
PRAヘルスサイエンス株式会社 土井 正治
10:35-10:55 ブレイク
10:55-11:55 講演 2: RMPと市販後資材
座長 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 関根 祥子
製薬企業におけるRMPの安全性検討事項の設定プロセスに関する実情と課題事例
アステラス製薬株式会社 石田 和彦
市販後資材を用いた医療機関とのメディカル・コミュニケーション(作成と活用方法)
ファイザー株式会社 荻原 香奈恵
11:55-12:55 ランチブレイク
12:55-14:00 講演3: 臨床現場からの期待
座長 国立研究開発法人 理化学研究所 安倍 理加
病院薬剤師の立場からの医薬品情報のあり方
独立行政法人 国立病院機構 埼玉病院 荒 義昭
医師は現場で製薬会社からの情報をどのように利用しているのか?
日本イーライリリー株式会社 片桐 秀晃
14:00-14:20 ブレイク
14:20-17:25 グループディスカッション
座長 第一三共株式会社 黒田 泰史
アステラス・アムジェン・バイオファーマ株式会社 手島 直子
講演で提起された課題に関する事例を通じた議論および共有
17:25-17:30 閉会の挨拶
プログラム副委員長/日本イーライリリー株式会社 小嶋 祐子
17:30-19:00 情報交換会