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最適化されたヴァイサラ【viewLinc】の運用
━室内環境から防爆エリアまで━

ヴァイサラ

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左:長谷川 知之 氏 右:荒谷 祥之 氏

 1717年の創業以来、300年以上の長い歴史と実績をもつ小野薬品工業株式会社は、創業時から「真に患者さんのためになる医薬品を開発して社会に貢献する」を研究開発の理念とし、現在はがんや免疫疾患、中枢神経疾患を重点研究領域に定め、細胞治療や中分子など新たな創薬を通して、医療現場のアンメットメディカルニーズに即した医薬品創製にも積極的に取り組んでいる。

 同社の水無瀬研究所には、約500名の研究員が在籍。2016年3月に始動した新研究棟は「ものづくり拠点」として位置づけられ、その横には臨床試験のため原薬製造可能な小規模なGMP製造棟を併設。GMP順守と制御環境のモニタリングのため、CMC・生産本部合成研究部にヴァイサラの環境モニタリングシステム「viewLincシステム」が導入された。
 本稿では、合成研究部のグループヘッド長谷川知之氏と保管管理責任者の荒谷祥之氏に、導入前の課題と導入後のメリットなどを聞いた。

 

■海外でも採用多数のヴァイサラのシステムはサポートも信頼

 原薬製造方法の研究と治験原薬の供給を担っている合成研究部では、「viewLincシステム」導入以前は、設置型のペーパーチャート式温湿度記録計と空調設備付けの温湿度記録計を利用。閾値の逸脱時は警報を発することができたが、センサ設置場所は事前のマッピングバリデーションを有効活用した配置ができず、設置後のセンサ移動も容易ではなかった。このため、湿度温度の閾値逸脱リスクがワーストポイントなどの注意が必要な箇所に任意で設置し、計測することができなかった。

 また、空調設備のない場所ではスタンドアローンセンサを設置して、ペーパーチャートでデータを記録したが、スタンドアローンのセンサは移動やワーストポイントの湿温度計測は可能だったが、異常時の警報がなく、逸脱の発生直後に事態を把握することができないという問題があった。このため、この2つのモニタリング方法の課題を克服でき、全ての管理エリアが標準化され、統合された湿度温度モニタリングシステムの運用を模索していた。さらに、電子記録についてはFDAや厚生労働省「コンピュータ化システム適正管理ガイドライン」などのcGMP監査に対応できるシステムであることも必要条件だった。当時の合成研究部では、コンピュータシステムバリデーションの経験が浅く、適切なDQ、IQ、OQの計画・実施記録を作成するためには、システムベンダーのサポートが必須と考え、温度マッピングのGMP遵守に関する見識や資料も豊富に保有し、海外で広く採用されているということが、ヴァイサラのシステムを導入した理由でもあった。

 「『viewLincシステム』は、温度マッピングのワーストポイントで温湿度を測定することができ、時期や目的に応じて測定ポイントを移動できるメリットが大きい。制御システム故障による停止時でも、独立して温湿度記録を継続できる一方で、制御システムの温湿度記録はバックアップとして利用できる」と、長谷川氏は多数のメリットを挙げる。

 

■研究員の作業効率と生産性の向上

 現在、同研究所では検体保管室、小分け室、防爆冷蔵庫、製造室を含む全8室で「viewLincシステム」を運用。導入以前は毎週、保管管理責任者が倉庫を巡回し、ペーパーチャート式の温湿度記録紙を目視でチェックして逸脱がないことを確認していたほか、記録紙やインク交換は研究員の人的な労力を介して行っていた。また、記録途中の紙詰まりやペンのインク漏れが発生して記録ができない状態になっていても、気づくまでに数日経過している場合もあったという。逸脱が発生した際は、過去の状況を振り返る必要があり、この状況調査・原因調査・再発防止・記録作成には研究員が多くの時間を費やしていた。

 「viewLincシステム」導入後は、温湿度の変動が担当者の席からリアルタイムに確認できるため、異常・逸脱の確認を負担なく行えるようになったほか、自動化されたレポート作成機能で、監査時には適切なデータを瞬時に示すことができるようになった。各部屋毎の月次レポートも約15分で終了するなど、研究者が安心して研究に取り組む環境づくりになり、生産性の向上に役立っている。

 導入前のペーパーチャート方式では、データ記録は原本上にしか存在しないため、データのバックアップをとるためには、全期間のコピーを作成する以外の手法がなかったが、導入後は自動的にログが記録されるため、外付けハードディスク及びDVDへのバックアップを含めても30分以内でバックアップ作業が完結するようになった。

 「コンピューター外に過去データがバックアップされていることは、有効な災害時対策であると感じている。データインテグリティの観点からは操作ログが全て記録され、改ざんができない点もcGMP準拠を遂行する上で役立つと実感している。新研究棟の完成から3年が経過したが、各種ガイドラインの要件は厳格化されており、『viewLincシステム』をいち早く取り入れたことはよい決断だったと思っている」と、荒谷氏は振り返る。

 

■管理ゾーンの用途別の運用と危険区域の管理

 同社の製造室、小分け室、検体保管庫室、倉庫内では、ヴァイサラの「HMT140 WiFiデータロガー」を導入。倉庫内は、国内外のガイドラインに対応可能な温度管理(+15~+25°C)になっている。導入後は、製造室や検体保管庫の温湿度のモニタリングも担当者の席から一括管理され、毎月の湿度・温度推移もログとして自動的にシステム上に記録される。同ワイヤレスデータロガーは本体にバッテリーが搭載され、温湿度が表示されるため、保管倉庫などの広いスペースでの利用に適し、場所を選ばす設置が可能。担当者の席で異常の予兆を検知したら、現場に行って空調制御の温度設定を変更するアクションをとることが可能になった。

 また、危険物倉庫では最も高い危険度レベルに分類される防爆ゾーンにも対応できるヴァイサラの本質安全防爆構造 湿度温度変換器「HMT363」を使用し、「viewLincシステム」で温度モニタリングしている。防爆冷蔵庫及び防爆冷凍庫では、「HMT363」をバリヤ経由で4つの入力チャンネルを持つDL4000 汎用データロガーに接続し、システムに統合して管理。「HMT363プローブ」は、ロガー設置場所から離れた場所でも計測できるようにプローブの長さを選択できるため、冷蔵庫・冷凍庫のような狭い空間での使用にも適している。以前、防爆冷蔵庫の冷却機の室外機が異常停止した際にはSMSによるアラームにより、温度変動をリアルタイムで検知し、管理値上限を超える前に保管品の移動ができたため、温度逸脱を発生させずに済み、保管品の品質への影響を抑えることができたという。

 

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HMT360シリーズ 本質安全防爆構造 湿度温度変換器

 「重要な検体の保管業務には、計測機器の精度維持が大変重要。ヴァイサラのロガーは、以前と比べると保管庫の温度が±0.1℃単位の精密さで測定・記録できるため、各部屋の管理維持に大変役に立っている。また、管理値(整数)に対して適切なアラート値(小数)を設定できるため、精度よくアラート管理できる」と、荒谷氏は精度への信頼を語る。

 

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【お問い合わせ】
ヴァイサラ株式会社
〒101-0051 東京都千代田区神田神保町1-105 神保町三井ビルディング16F
TEL:03-5259-5965
URL:https://www.vaisala.com/ja/contactus

 

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