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バイオ医薬品の製造戦略による競争力向上
市場と技術・設備動向に合わせた新たな選択肢

パセオン

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Kym Baker 氏
General Manager, Brisbane Biologics, Patheon, part of Thermo Fisher Scientific

 医薬品市場が大きく変革するなか、バイオ医薬品における技術進歩による選択肢の増大もあいまって、製造戦略における意思決定が開発スピードや成功率、売上原価などに大きく影響するようになった。このような状況で、サプライヤーをいかに有効活用するかは製薬企業にとって重要な課題である。

 本稿では、2018年11月21日、秋葉原コンベンションセンターで開催されたファームテクジャパンセミナー「バイオ医薬品市場での競争力向上へ−製造技術を軸に考える生き残り戦略−」でパセオンのKym Baker氏が行った講演から、スピード、フレキシビリティ、コスト効果を通したバイオ医薬品の競争力向上について紹介する。

 

 

 

■設備動向の変化に合わせた製造戦略

 近年の新薬の傾向として、上市される医薬品の希少疾病用医薬品の指定やpersonalized medicinesの割合が増加している。そして、バイオ医薬品の適応が従来のがん領域中心からそれ以外の分野にも拡大し、開発競争が激化している。

 次にバイオ医薬品の製造技術動向に関する近年の調査に目を向けると、開発中のバイオ医薬品のうち半数程度で、必要とされる培養スケールが5,000L以下であることが示されている。これは培養槽全体でみると中スケール以下の設備需要が増すことを示している。この原因は、前述のような希少疾病用医薬品やpersonalized medicinesといった少量生産の医薬品が増えたことに加え、力価がここ10年ほどで2g/Lから5~10g/Lと大幅に向上したことが考えられる。

 しかし、このように5,000L以下の中規模培養設備の需要が高まる一方で、それに適した設備が十分にない状況である。「このギャップを埋めるためにはグローバルネットワークが必要」と、Kym Baker氏は世界中のサプライヤーを視野に入れた製造戦略構築の必要性を説く。
 

■ 製造の観点でリスク緩和

 バイオ医薬品の開発スピードや上市後の売り上げの予測は困難を極める。設備投資を行っても開発の遅れにより無駄が生じ、上市後にも売上の過大・過小評価によってロスが生じる可能性が十分にあるということだ。これを解決するためには「最適化されたサプライヤーネットワークを活用してタイムラグをなくす」ことが重要であると述べる。

 また、製造技術をいかに選ぶかも重要な問題である。シングルユース製品を用いるのか、製造技術開発期間を設けて力価を向上させるのか、1つの製品を小スケールの培養槽を複数用いるマルチプレキシングを採用するのか。多くの選択肢があるゆえにチョイスが重要になる。バイオ医薬品の構造が複雑化することにともない製造工程も複雑になり、商用生産できずに上市を迎えられなかったバイオ医薬品も多い。つまり製造上のリスクをどのように取り扱うかが開発のスピードや成功率に大きく関わってくるということだ。

 Kym Baker氏はこれらを踏まえて、「複数のサプライヤーを利用することで、1つの遅れが数倍に膨らむリスクがある」と指摘し、シングルソースのサプライヤーを利用することで開発の遅れや中断のリスクを緩和できることを説明。さらに、「自社の製品やポートフォリオの戦略に基づいてサプライチェーンをデザインしていくことが重要」とした。

 

■ 売上原価からみる製造戦略

 次にCOGs(売上原価)にも製造戦略が関わってくることを理解したい。どの製造法を選択するか、既存の設備を用いるか、新規の設備投資を行うか、製造を外注するか。こういった選択がCOGsに与える影響は大きい。ここで注目したいのは変動費である。設備の稼働率が下がると目標とする売上原価の達成は困難になる。需要が大きい、あるいは小さい場合には比較的シンプルにスケールを決定することができる。しかし、中間的なものでは戦略を立てることが難しい。

 ここでKym Baker氏は、「変動費を抑えるにはアウトソーシングが有効である」と述べ、具体的にパセオンが提示している3つの受託製造オプションにおける生産量やCOGsなどをもとに、リスク・ベネフィット評価を例示した(図1)。ここからわかるように自社製造に比べて、CDMOを利用した際にはCOGsが上昇し、小中スケールでこの傾向が強い。しかし、CAPEX(設備投資)を考慮すると違った視野が拓けてくる。とくに大型ステンレス設備を用いるoption 2では、CAPEXが800~1200Mドルとほかのオプションに比べて高額になっている。これらを含めて変動費をみなければいけない。
 

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図1 各オプションにおけるCOGs

 
 これらの比較からわかるのは、新しい選択肢であるマルチプレキシングを用いた中スケール培養(option3)は、非常に経済的なものであるということである。もちろん、ベネフィットだけではなく、リスクについても検討は必要である(図2)。

 ここまでの内容をうけて、Kym Baker氏は成功への道を以下のようにまとめた。
①現状と、目指していることを正確に把握
②利用できるツールやオプションを把握
③COGsの見通しに基づいたリスク分析
④どのリスクを取ることで他のリスクを軽減できるか考える
⑤取らざる得ないリスクを緩和・コントロールするためにできることを考える

 

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図2 新たなパラダイムのリスク・ベネフィット

■技術と実績で新たなパラダイムに対応

 パセオンは、確かな技術力と品質を武器に、CDMOとして世界一位の医薬品上市数を誇る。バイオ医薬品に関しては原薬の開発から製剤開発、治験薬製造、治験薬の包装・配送、商業生産、製剤の充填まで幅広く受託可能である。さらに、製造に関してはマルチプレキシング、fed-batch、perfusionといった各種培養を含めた多くの技術をもち、4つの製造拠点で万全の体制を整えている(図3)。

 これらの製造拠点では、過去4年間で180以上の技術移転を実施。さらに必要に応じて複数拠点で並行して技術移転を行うタンデムテックトランスファーにより、同等の製品を製造して需要に合わせた迅速なスケールアップにより安定供給に応えてきた。このような技術力に加え、プロセスバリデーションといった品質面も含めて、上市までのパスウェイを熟知して顧客をサポートする。過去3年間で米国FDAの35回の査察を含めた世界中の当局からの査察を受けて、多くの製品を上市した実績をもつ。バイオ医薬品が牽引するこれからの医薬品市場において、サーモフィッシャーサイエンティフィックグループは製造戦略を支える大きな力となるだろう。
 

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図3 バイオ医薬品製造のグローバルネットワーク

【お問い合わせ】
パセオン株式会社
〒103-0023 東京都中央区日本橋本町3-3-6 ワカ末ビル7F
TEL:03-6202-7666
URL:www.patheon.com

 

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