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効率的なラボ運営とバイオ医薬品の特性解析の加速化で競争力強化をめざす
アジレント・テクノロジー

 2018 年11 月21 日に開催されたファームテクジャパンセミナー「バイオ医薬品市場での競争力向上へ―製造技術を軸に考える生き残り戦略―」の中で、さまざまなワークフローを効率的にサポートするサービスや、バイオ医薬品の特性解析を加速化する最先端分析ソリューションについてアジレント・テクノロジーが紹介した。本稿では、現状の課題とその解決法について報告する。
 

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椎名 秀樹氏
サポート・サービス営業統括部門

■分析評価技術、ワークフローに多くの課題

 近年、ICH などの品質に関わる規制が厳しくなっているなか、「バイオ医薬品分析にフォーカスすると、最近はハイエンドな質量分析機器が使用されるようになり、低分子医薬品に比べて分析法や分析機器のバリエーションが増えている。そのため、それらを扱う研究員のスキルアップ、メソッド開発、デザインスペースの確保が求められていると感じる」と、同社サポート・サービス営業統括部門の椎名秀樹氏は考えを述べた。

 実際、バイオ医薬品を扱う研究ラボへのヒアリングでは、「十分に検討を重ね、効率よく少ないサンプル量で成果を出すのが理想だが、そもそも測定機器がデータインテグリティに対応していない、ソフトウェアや分析データを評価するのに時間がかかる、分析結果から規格幅を設定するのが難しいなど、ワークフローの改善に課題を感じている声が多く聞かれる」と現状の課題を挙げた。

 

■ データインテグリティから人材育成まで

 同社では、測定機器のサポートサービスのほかに、ラボインフォマティクス導入支援や研究員の育成、ワークフローコンサルティングまでと幅広くサービスを展開(図1)。ラボ内のネットワーク化について椎名氏は、「単純にネットワーク化するだけでコンプライアンスが保たれるわけではない」と訴える。情報量が多い質量分析などでは、カタログスペックだけでネットワークをデザインしてしまうと、データロードに1 時間かかってしまうなど、研究員のスキルではないところで時間を要し、検討が進まないという現状もあるという。

 また、研究員のスキルについて、これまでは分析機器を5 機種程扱えればよかったが、特にバイオ医薬品では今後、10 ~ 15 機種と幅広く扱えないと研究開発に貢献できないといった現場の声もあるという。

 「こうした現状を把握したうえで、ラボのインフォマティクスの導入支援や、コンプライアンスのリスク低減をめざしたコンサルティングを行っている。当社のラボエンタープライズサービスは、研究員のトレーニング計画や実践研修、レポート機能の自動化、合理化など、ワークフロー改善に貢献できる。今後、バイオ医薬品の研究開発など、ニーズの高まりに応じてラボを開設、改修する機会が増えてくると思われる。十数年先まで活用可能なワークフローを見据え、われわれメーカー・コンサルティングの視点を利用して見直していただきたい。効率的なラボ運用ができれば将来、何倍もの成果を出すことができるはず」と椎名氏は呼びかけた。

 

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図1 お客様の課題を解決するソリューションがあります

 

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郡 明雄氏
製薬ビジネスディベロプメント

■ バイオ医薬品の特性解析を加速

 「今後、バイオ医薬品市場での競争力を強化していくには分析評価技術の向上は欠かせない。特にバイオ医薬品においては、開発から製造までプロセスと分析の占める割合は大きい」と、分析評価技術の重要性を再確認し、メソッド開発を支える最先端の技術として精製の自動化、分析から解析の自動化など、バイオ医薬品の特性解析を加速するユニークなワークフローソリューションについて、製薬ビジネスディベロプメント担当の郡明雄氏が詳説した。

 はじめに、抗体医薬品の特性解析における複雑なワークフローやデータ解析をテクノロジーの面から解決する事例として、2D-LC(2 次元HPLC)によるADC(抗体薬物複合体)特性解析を紹介。2D-LC は、ピーク数が多く複雑なサンプルに有用で、高い精度で解析できる。「US やヨーロッパではR&D で2D-LC が活用されている」と、郡氏は海外状況にも触れた。

 まず、1 次元でMS 互換性のない移動相による分離(疎水性相互作用など)を行い【バイオイナートLC】、2 次元でMS 互換性のある分離(逆相やSEC)でUHPLC を用いる【Q-TOF ほか】、組み合わせ自由な2D-LC/MS が紹介された。同社が展開する2D-LCにつなぐMS は、自社はもちろん、他社ブランドでも多くの接続実績があり、モードを自由に切り替えられる。

 次に紹介された2D-LC の適用事例【Agilent Infi nityLab2D-LC ソリューション】(図2)では、①コンプリヘンシブ2D-LC はマッピングが可能で、例えば1 次元目のクロマトグラムでは1 つに見えたピークが2 次元目で分離され、ストレスを受けた抗体とそうでない抗体などを判別できる。②マルチハートカットは、1 次元目のある特定のピークだけを、2 次元目で同じもしくは異なる分離モードで分離でき、分析法バリデーションや、MS 導入前の脱塩にも使用可能である。③ハイレゾサンプリングは、ブロードなピークに適用でき、純度試験のほかに定量に活用する事例もあるという。

 

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図2 Agilent 2D-LC の適用事例:1 システムで3 モード

■ AQbD を考慮した分析法自動開発

 「自動化やAI の導入によって定型業務の効率化を図り、クリエイティブな部分を重視して、これまで困難だった業務にチャレンジしやすい仕組みを構築することが当社の製品パッケージの狙いである」(郡氏)とし、Analytical Quality-by-Design(AQbD)ベースの分析法自動開発と頑健な分析法移管を可能とするソリューションが、ICH ガイドラインに対応しつつ、生産性の向上、さらには働き方改革の両立も可能だとした。

 「ChromSword」というソフトウェアをHPLC と組み合わせた分析法自動開発システム【ChromSwordAuto-HPLC】は、ChromSword がHPLC を制御してカラムや移動相、温度などの条件を変更しながらデータ収集を行い、最適な分離条件を探索していくというもの。最近は核酸医薬や合成ペプチド、抗体医薬などの事例が増えてきているという。

 また、ChromSword に、他社のLC にエミュートするISET(Intelligent System Emulation Technology)を組み合わせることによって、頑健なメソッド開発と、機器間差を克服したスムーズな分析法移管が可能になる。

 最後に、精製などのサンプル前処理が可能な【AssayMAP Bravo】が紹介され、上述した機器・システムなどを接続することで、HCP や糖鎖の特性解析の一連を自動化可能であるとして例示された。
 


【お問い合わせ】
アジレント・テクノロジー株式会社
〒192-8510 東京都八王子市高倉町9-1
TEL:0120-477-111
URL:www.agilent.com/chem/jp

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