[書籍紹介]
固体医薬品の溶出
溶出機構のより深い理解を目指して

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書籍のポイント

 固体医薬品の溶出機構をより深く理解するためのバイブル

 固体医薬品の溶出を促進・制御することで、さまざまな体内動態を示す製剤を得ることができます。すなわち、いかに溶出を変化させ目標とする機能性を有する製剤を設計することができるかが、製剤研究者・技術者の腕のみせどころです。

 優れた製剤を設計するためには、理論に裏付けられた計画・実験・考察が必要であり、Noyes-Whitneyの式、Hixson-Crowellの立方根則、Fickの第1、2法則などの理解が求められます。しかし、その式がどのようにして誘導されたのかまで記載された書籍はほとんどなく、医薬品の溶出性に関連した書籍も極めて少ないのが現状です。

 そこで本書では、溶出機構をより深く理解するために理論に基づいて数式を解説しました。また、本書で使用される数学の基礎やExcelによるグラフ作成、数値解析の手法などについてもわかりやすく紹介しており、医薬品溶出に関するバイブル的書籍です。

 

板井 茂/著
定価(本体12,000円+税)/B5判/194頁/2017年11月刊

 

目次

序章

第1章 溶解度
 1-1 溶解濃度の定義
 1-2 溶解度と温度の関係
 1-3 難溶性電解質の溶解度
 1-4 弱酸性、弱塩基性物質の溶解度
 1-5 溶解度と粒子径の関係
 1-6 溶解度とイオン強度の関係
 1-7 溶解度と界面活性剤濃度の関係(ミセル形成による可溶化)

第2章 拡散速度
 2-1 Fickの拡散方程式
 2-2 極座標変換による拡散方程式の表記

第3章 溶解速度
 3-1 固体表面からの溶解
 3-2 球形粒子表面からの溶解
 3-3 粒度分布を考慮した溶解(多分散多粒子系における溶解)

第4章 製剤からの医薬品の溶出
 4-1 リザーバー製剤からの医薬品の溶出
 4-2 マトリックス製剤からの医薬品の溶出
 4-3 分解を伴う製剤からの薬物の溶出

第5章 有効表面積
 5-1 有効表面積とは
 5-2 有効表面積の経時変化式
 5-3 有効表面積経時変化の求め方
 5-4 有効表面積の速度論的解析
 5-5 溶出試験結果からの Kd および Kh の求め方

第6章 本書で使用される数学の基礎
 6-1 微分
 6-2 積分
 6-3 指数と対数
 6-4 微分方程式
 6-5 Laplace変換
 6-6 Taylor展開
 6-7 はさみ打ち法による逆関数の解

第7章 Excelによるグラフ作成・数値解析
 7-1 グラフ作成法
 7-2 定積分
 7-3 直線回帰
 7-4 正規分布関数
 7-5 非線形最小二乗法

参考文献
索引
 

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