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AI搭載ソフトウェアに関するヒューマンファクター:FDAの要求について

登録日:2026/03/16

米国食品医薬品局(FDA)は、2025年1月、「Artificial Intelligence-Enabled Device Software Functions: Lifecycle Management and Marketing Submission Recommendations」というドラフトガイダンスを公表し、AIを搭載した医療機器ソフトウェアのライフサイクル管理や申請に関する包括的な指針を示しました。本ガイダンスはタイトルに「ヒューマンファクターエンジニアリング(HFE)」の明記こそないものの、実際にはAI特有の利用環境や判断プロセスに対応するためのHFE要件が多岐にわたり盛り込まれており、医療現場でのAIの安全かつ効果的な運用を実現するうえで重要な内容となっています。 

AI搭載医療機器によるアウトプットは可変的かつ個別化される傾向が強いため、医療従事者や患者、介護者がどのようにAIからのアウトプットを理解し、適切に判断し、行動できるかが重要になります。 

FDAはこの点を踏まえ、人間とデバイスの協働を示す「Human-Device Team」に加えて、人間とAIシステムが共同で意思決定する「Human-AI Team」という用語を導入し、双方が相互に情報を補完しながら意思決定するための設計や評価が不可欠であると強調しています。AIからのアウトプットの根拠や限界がユーザーに明確に伝わらなければ、誤った判断を招きかねません。そのため、アウトプットの意味、不確実性、精度、利用条件などを適切に提示し、ユーザーの信頼を構築しつつアウトプットへの過度な依存や表面的な受容を防ぐこととのバランスの取れるユーザーインターフェース(UI)の設計が求められています。 

また、使用関連リスク分析もAI特有の要素を踏まえて強化されており、情報不足や誤解、過度な信頼や過小評価といった認知的リスクを含めて評価する必要があります。 

さらに、妥当性検証(Validation Testing)では、ユーザーがAIからのアウトプットを正しく理解し、適切な行動が取れるかを実使用環境に近い状況で検証することが求められます。 

総じて、本ガイダンスはAI搭載医療ソフトウェアにおけるヒューマンファクターの重要性を強調しており、AIとユーザーの協働による安全な意思決定を支える枠組みを示すもので、今後のAI医療機器開発における標準的な要件になると考えられます。 

【略語一覧】
HFE:人間工学(Human Factors Engineering) 
UI:ユーザインタフェース(User Interface) 
AI:人工知能(Artificial Intelligence) 
HCP:医療従事者(Healthcare Professionals) 

【キーワード】
USA / Usability / HFE / Human Factors Engineering / AI / Artificial Intelligence 

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