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Mirabilis:ニトロソアミン類混入リスク対策

登録日:2024/02/14

更新日:2024/03/05

未報告の合成プロセスの変更が原因で、市販の医薬品中にニトロソアミン不純物が存在が明らかとなり、複数の高血圧、糖尿病の治療薬が回収されることになりました。

ニトロソアミン混入リスク
多くの不純物は試薬として直接導入されますが、製造中に生じる潜在的な突然変異原性不純物 (PMI) は、変異原性のない物質の組み合わせから生成する可能性があるため、特定が難しい場合があります。バルサルタンの合成プロセスにおける未報告の変更により、亜硝酸ナトリウムとジメチルアミン(溶媒ジメチルホルムアミド中の不純物)が反応し、その結果、市販製品から NDMA が検出されました。
規制当局はただちに回収と調査を開始し、回収は追加の関連医薬品すべてに拡大されました。ニトロソアミン原薬関連不純物 (NDSRI) の許容摂取量に関するガイダンスが規制当局から公開されていますが、ニトロソアミン不純物混入リスクのあるすべての製品は検査が必要です。潜在的な不純物生成物の同定は、多くの場合、合成経路をマニュアルで評価するため、確固たる知識が必要になります。潜在的な生成、キャリーオーバーを確実に管理するには、プロセスを熟知する必要があります。 PMI の形成を早期に予測することで、企業は患者様のリスクを軽減しながら、時間とコストの節約が可能になります。

変異原性不純物のキャリーオーバーを回避するにはどうすればよいでしょうか?
不純物生成は、医薬品有効成分 (API) を製造において避けられない部分です。化合物が変異原性となるメカニズムの多くは、合成に役立つメカニズムと同じです。ICH M7 ガイドラインには、最終医薬品の PMI リスクをなくすための管理プロセスが概説されています。

今後の展望
不純物のキャリーオーバーリスクを評価する方法の 1 つは、分析試験と併せてパージ計算を使用することです。弊社は、PMI の管理を支援するため、パージ理論に基づいたリスク評価ツール Mirabilis をリリースしています。Mirabilis のアラート機能は、合成反応における PMI 形成リスクの有無を通知します。
当初はニトロソアミン生成に注力していましたが、変異原性に関連するすべての官能基をカバーするよう取り組んでいます。Natashaらは論文1)でMirabilisのエキサイティングな開発について述べております。Mirabilisの アラート機能は以下を提供します。
> 妥当性あるPMI形成の予測
> PMI構造の予測
> プロセスおよび/またはキャリーオーバーの知識に基く生成リスク軽減

これらの機能により、製薬企業、および規制当局が潜在的なリスクを認識出来るようになり、将来の医薬品中 PMI 発見の防止に役立ちます。
Mirabilisは、業界のステークホルダーと共同で研究することで、常に進化しています。
ニトロソアミン不純物のリスク評価のための当社のソリューションの詳細については、下記までお問い合わせください。

ビジネスパートナーシップ
増子 聡
TEL: 080-9804-1171
E-mail: satoshi.mashiko@lhasalimited.org

文献
1. Natasha et al., "Identifying the Risk of Formation of Nitrosamines and Other Potentially Mutagenic Impurities during API Manufacture Using In Silico Risk Assessment." Org. Process Res. Dev. 2023, 27, 10, 1812–

企業情報

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