開催日 | 2024年11月7日(木) |
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開催地 | Web |
講師 秋山錠剤(株) 品質保証部 製剤開発課 顧問 阪本 光男 氏
講師紹介
■経歴
日本大学理工学部を卒業。その後,エーザイ株式会社製剤研究室に入社,ジェネリックメーカー,一般薬メーカーの製剤研究室室長を経て,現職。
■専門および得意な分野・研究
口腔内速崩壊錠の開発研究
第3回 11月7日(木)10:30-16:30 コーティング技術とトラブル対策
■講座のポイント
フィルムコーティングおよび微粒子コーティングとそのトラブル対策。また,スケールアップの進め方については,研究段階において小型機(試作機)で検討した最適条件を大型機(生産機)に,どのように適応するのか説明する。また,微粒子コーティングの応用として,口腔内崩壊錠およびDDS(薬物送達システム)に関しても触れる。
■受講後,修得できること
・コーティング基剤とコーティングの技術的手法の適切な選択方法に関する知識
・フィルムコーティングに関するトラブルシューティング
・糖衣錠のトラブルとその改善法
・フィルムコーティングに関するスケールアップ技術
・硬カプセル剤の製剤化のポイント
・微粒子コーティング技術による腸溶性、徐放性コーティング粒子を含有する錠剤化方法
・微粒子コーティングに関するスケールアップ技術
■講演内容
1.コーティング工程
・コーティングの役割
・コーティングのメカニズム
・コーティング基剤の評価方法(粘着性の評価)
・コーティング基剤(水溶性,胃溶性,腸溶性および水不溶性コーティング基剤)
・糖衣錠のトラブルとその改善法
・糖衣コーティングとフィルムコーティングのプロセスにおける相違
・フィルムコーティングの事例
・水分散系コーティング剤のフィルム形成とコーティング事例
・乾式コーティングの概要とその事例
・フィルムコーティングのトラブルシューティング
・フィルムコーティン錠用顆粒(フィルムコーティング錠で発生するトラブルに関する造粒法の影響)
・コーティングにおけるスケールアップでの問題点(糖衣コーティングの均一性)
・フィルムコーティングのスケールアップ事例(スプレー面積とスプレー速度)
・フィルムコーティングのスケールアップにおける時間短縮とドラムへの錠剤付着や剥がれの防止
2.硬カプセル
・剤形としての硬カプセル剤の選択と硬カプセル剤の製剤化のポイント
・カプセル充填機の概要(チューブ式、タンピング・デスク式など)
・カプセルへの充填量の変動要因とその抑制方法
3.微粒子コーティング
・微粒子のコーティング方法
・微粒子コーティングにおける水溶液系とラテックスでの凝集粒子の発生にいての比較
・微粒子コーティングの事例(徐放性および腸溶性の微粒子コーティング含有錠)
・微粒子コーティングのスケールアップにおける問題点と改善法
(①溶出が合わない ②団粒が大量に発生する ③核粒子が破壊されてしまう)
・最近のコーティング機の動向(錠剤の連続生産システムとしての新規コーティング機の開発)
4.口腔内崩壊錠
・口腔内崩壊錠の製造方法の推移(第一世代~第五世代)
・口腔内崩壊錠に用いられる賦形剤(プレミックス型添加剤、高機能マンニトールなど)
・空隙率を保持した状態で錠剤硬度を高める方法
・口腔内崩壊錠の事例[球状顆粒(D-マンニトール)を用いたOD錠]
・多機能化への製剤技術
1)苦味のマスキング
2)光に不安定な薬物の製剤化
3)徐放性有する製剤など
・口腔内崩壊錠の今後の課題(難溶性薬物と高含有量の製剤化)
5.DDS
・DDS(薬物送達システム)とは
・薬物放出制御技術
1)膜透過制御型
2)マトリックス拡散制御型
3)浸食溶解制御型
4)浸透圧制御型
・製品化されている放出型DDS製剤
<質疑応答>