株式会社東レリサーチセンター

材料内部での水分子の結びつき(水素結合) に新たな知見 ~水が関与する材料の機能発現メカニズム解明や、高性能材料の研究・技術開発に貢献~

登録日:2024/08/29

 株式会社東レリサーチセンター(所在地:東京都中央区日本橋本町一丁目7番2号、社長:吉川正信、以下、「TRC」)は、国立大学法人東京大学物性研究所(所在地:千葉県柏市柏の葉五丁目1番地5、所長:廣井善二、以下、「東大物性研」)の原田慈久教授の研究チームと、生体に優しい材料(生体的適合性材料) であるポリビニルピロリドン※1)(以下、「PVP」)と水分子との結びつき(水素結合※2))について詳細に調べました。
 材料中の水分子は単一の状態ではなく、材料との結びつき方や、水分子同士の繋がり方によって、異なる性質を持つ水分子が存在することが分かっています。TRCでは、これまで水が関わる材料について、様々な方法を用いて材料中の水分子の状態を調べてきました(後述の表参照)。このような水分子が、他の材料、または水分子同士で結びついた時の性質(融点や粘度、密度など)を最も反映している水素結合について知ることは特に重要です。しかし、その結合はピコ秒(1兆分の1秒)オーダーという非常に短い時間で解離・再結合を繰り返しているため、水分子の水素結合を直接観測することはできませんでした。今回、東大物性研原田研究室が開発した高いエネルギー分解能を持つ軟X線発光分光※3)を新たに用い、材料中の水分子がどのように水素結合しているかを詳細に解析することができました。
 この研究の詳細は、2024年4月25日に公開されたJournal of Molecular Liquids誌に掲載されています。 

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