開催日 | 2024年12月19日(木) |
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開催地 | Web |
【開催日時】
2024年12月19日(木) 10:30~16:30
【講師】
みづほ工業(株) 技術開発室 課長 榎本 康孝 氏
【専門】界面化学
【職歴】
2006年 みづほ工業株式会社入社
2017年 神奈川大学大学院工学研究科応用化学専攻博士後期(博士)課程修了
博士(工学)の学位を取得
西日本化粧品工業会・日本化粧品技術者会西日本支部 化粧品技術基礎講習会 講師
西日本化粧品工業会・日本化粧品技術者会西日本支部 化粧品技術実践講習会 講師
製剤機械技術学会 教育委員会 半固形製剤分科会
【価格】
非会員: 55,000円 (本体価格:50,000円) 会員: 49,500円 (本体価格:45,000円)
会員(案内)登録していただいた場合、通常1名様申込で55,000円(税込)から
・1名で申込の場合、49,500円(税込)へ割引になります。
・2名同時申込で両名とも会員登録をしていただいた場合、計55,000円(2人目無料)です。
【趣旨】
化粧品や医薬部外品等を製造するにあたって,工場技術者と共に研究室規模から工場生産規模へのスケールアップの研究が行われます。このとき,研究室によるサンプルの調製を忠実に再現することができるのであれば,工場における製品の製造も成功します。しかしながら,工場において研究室と全く同じ製造機械を使用することは通常ありませんので,工場で使用する製造機械の条件を新たに決定する必要があります。
そこで本講座では,乳化撹拌装置を使用した乳化製品の製造を例にとって,工場における製造条件を決定するために必要なスケールアップの基礎的な考え方について解説します。
【プログラム】
1. 乳化現象と撹拌
1-1 乳化現象
・ 乳化によって生成したエマルションとは
・ 水溶液と分散液
・ 界面自由エネルギーの考え方
・ ギブス自由エネルギーのイメージ
・ 水溶液や分散液の調製しやすさ
・ ギブス自由エネルギーと溶解現象
・ ギブス自由エネルギーと乳化現象
・ 乳化剤としての界面活性剤の働き
・ エマルション調製に必要な2つの力
・ 乳化工程で必要な機械的な力
1-2 撹拌の目的と利用すべき作用
・ 撹拌によって達成できる目的と生じる作用
・ 微細化作用を引き起こす力
・ 液体A+液体Bの撹拌例
・ 2つの撹拌作用を使い分ける
・ 吐出作用を利用すべき例
・ 微細化作用を利用すべき例
・ 撹拌エネルギーと2つの撹拌作用”の関係
・ 撹拌作用と撹拌機の選定
2. クリーム・乳液製造工程で使用する機械
2-1 低速撹拌機と高速撹拌機
・ 一般的なクリーム・乳液製造工程
・ 撹拌作用の使い分けイメージ
・ 低速撹拌機と高速撹拌機”の使用
2-2 複合型の乳化撹拌装置
・ 高粘度流体の容器内流動
2-3 クリーム・乳液の製造
・ 乳化撹拌装置を使用したクリーム・乳液製造
3. その他化粧品製造工程で使用する機械
3-1 化粧水の製造
・ 一般的な化粧水製造工程
・ 防爆仕様 → 爆発による危険防止
・ ろ過工程 → ろ過機による不純物の除去
3-2 パウダーファンデーションの製造
・ 一般的なパウダーファンデーション製造工程
・ 混合工程 → パウダーミキサーの使用
・ 成型工程 → プレス機の使用
3-3 口紅の製造
・ 一般的な口紅製造工程
・ 混練工程 → 3本ロールの使用
・ 成型工程 → 成型とフレーミング
・ エマルション調製に必要な2つの力
4. スケールアップの良否(エマルション評価)
4-1 機械的な力と安定性・使用性
・ スケールアップ(生産技術検討)
・ エマルション調製に必要な2つの力
・ スケールアップが上手くいかないとき
・ 機械的な力による品質への影響
・ エマルションの品質・機械的な力と評価方法
・ エマルションの安定性
・ クリーミング
・ 浮上速度を変化させる因子:粒子径・粘度・密度差
・ 浮上速度を変化させる因子と機械的な力
・ 凝集に伴う合一の要因
・ 曲率とLaplace圧の発生
・ 乳化粒子同士の接触に伴う合一
・ Ostwald熟成
・ 凝集に伴う因子の要因と“機械的な力”
・ エマルションの使用性(考え方の例)
・ 機械的な力による影響
・ 粘度と粒子径・粒度分布
・ 機械的な力とスケールアップの成否
・ スケールアップ成否の評価方法
4-2 粒子径および粒度分布測定
・ 粒子径および粒度分布解析
・ 平均値や中央値とは…
・ 乳化粒子とエマルションの安定性・使用性
・ スケールアップの評価
4-3 粘度特性
・ B型粘度計による粘度測定
・ 粘度の目安(食品の例)
・ エマルションで見られる流動特性
4-4 測定値とその評価
・ エマルションの目標値
・ エマルションの測定対象
・ 分散液における測定対象間の関係
・ エマルションの同等性範囲
・ エマルションの目標値とスケールアップ評価
5. ”乳化工程”のスケールアップ
5-1 撹拌に対するスケールアップの考え方
・ ホモミキサーの回転数・乳化時間一定の条件
・ バッチ生産方式によるスケールアップ
・ 相似則の考え
・ 幾何学的相似と力学・運動学的相似
・ 高速撹拌機における幾何学的相似条件
・ 幾何学的相似の関係式と未知数の数
・ 低速撹拌機の回転数・混合時間
・ 従来の撹拌に関する式の利用可否
・ 高速撹拌機による回転数変化イメージ
・ 高速撹拌機によるパス回数変化イメージ
・ 回転数と乳化/混合時間の関係
5-2 ホモミキサーを使用した乳化条件の算出
・ 高速撹拌機(ホモミキサー)”の機械的な力
・ ホモミキサーによる微細化作用
・ ホモミキサーによって生じるせん断力
・ ホモミキサーによるスケールアップの考え方
・ ホモミキサーによるスケールアップ計算式
・ ホモミキサーによる吐出量(吐出作用)
・ 実際の製品に対する吐出係数の考慮
・ 高速撹拌機”の機械的な力の評価
・ 実際の計算例
・ ホモミキサーの回転数と乳化時間(良い例)
・ ホモミキサーの回転数と乳化時間(悪い例)
5-3 一般的な撹拌機によるスケールアップ計算式
・ 液体+液体の一般的な撹拌の場合
・ 混合を制御するための計算(推算)式
・ 合一を無視できる場合
6. ”冷却工程”のスケールアップ
6-1 ”冷却速度を一定”とする場合の考え方
・ 冷却水による製品の冷却モデル
・ 冷却を制御する幾何学的相似条件
・ 各冷却方式における幾何学的相似条件の利用
・ 冷却を制御する力学・運動学的相似条件
・ 掻取ミキサーの回転数を算出する各種条件
・ 各種条件における掻取ミキサーの回転数
6-2 ”冷却速度を向上”させる場合の考え方
・ 効率的な冷却プロセス
・ 熱伝導の向上
・ 乳化槽底(鏡板)の形状 → 半楕円型
・ スクレパーによる伝熱境膜の掻取作用
・ 冷却時間の計算式(生産性の計算式)
・ 製品仕込量と冷却時間の目安(当社基準)
6-3 掻取ミキサーを使用した製品の冷却
・ 掻取ミキサー不使用時の製品温度
・ 製品の強制対流
・ ジャケット冷却方式と製品の冷却パターン
7. まとめ
7-1 撹拌・乳化・分散プロセスに関すること
7-2 スケールアップに関すること