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抗体発見を加速させるアプリケーションの概要
治療抗体の発見を進める、最新式の高速フローサイトメトリー

ザルトリウス・ジャパン

 モノクローナル抗体(mAbs)は、現在も生物薬剤研究で注目を浴びています。発見のプロセスでは、最適なクローンを選択し、最適な薬物候補を同定するなど、重大な決定を行う必要がありますが、特に従来のスクリーニング方法を用いた場合に困難となる可能性があります。

 そのような従来のスクリーニング法の1つが、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)です。ELISAは歴史的に、細胞外標的に結合する抗体のハイブリドーマおよび他のライブラリをスクリーニングするために使用されてきました。間接的な酵素/基質の反応による色の変化は、固定化抗原に結合している抗体を示します。

 ELISAは、歴史的に抗体スクリーニングラボの主要検査でしたが、以下のような欠点があります。
(1)ELISA は、細胞表面抗原と結合する抗体のスクリーニングにおいて理想的ではありません。これは、抗原を細胞膜から抽出し、精製する必要があるためで、この過程で治療抗体の重要な標的となり得る立体構造エピトープが崩壊することがよくあります。

(2)1種類の抗原検査では、特異性や交差反応を確認するため、対照抗原を用いた2次、時に3次スクリーニングが必要になることがあります。

(3) ELISAのプロトコールは、バックグラウンドシグナルを生じる非結合抗体および検出試薬を除去、または最小限に抑える目的で複数の洗浄工程が必要なため、かなりの労力を要し、その結果スクリーニング作業も長くなります。

 さらに、ELISA またはバイオレイヤー干渉(BLI)法は、免疫グロブリンG(IgG)力価のみを評価し、検査している実際の細胞についてはわかりません。細胞はIgG分泌が多いため、産生力があるようにみえますが、細胞株作製プロセスの次の段階に進めるには、最も健康で活発な細胞ではないかもしれません。

 しかしながら、最近のアッセイ技術の進歩により、抗体発見は変革し始めています。このような技術進歩により、ハイスループット、マルチプレックス、マルチパラメーターのアッセイを行うことができます。アドバンスト・アッセイを利用することで、スクリーニングプロセス初期に、より多くのデータを収集することができ、これがヒット抗体発見の可能性への自信につながります。また、抗体開発の下流段階まで確実に進める候補を選択できる可能性が高くなります。

 Intellicyt®iQue3アドバンスト・フローサイトメトリー・プラットフォーム(図1)は、浮遊細胞ベースのハイスループットスクリーニングシステムであり、細胞表面または循環血液中の標的抗原いずれかに結合する抗体のマルチプレックススクリーニングの実施に利用できます。

 さらにiQueプラットフォームでは、ハイコンテントアッセイにより、マルチプレックス細胞ベース・分泌タンパク質アッセイにおけるリード抗体の影響を評価することができます。

 このアプリケーションの概要では、ザルトリウスの革新的なiQueプラットフォームのアプリケーションについていくつかご紹介することで、抗体発見をどのように進め、加速できるかを示します。

 iQueプラットフォームを用いた場合のmAb 開発の利点は以下のとおりです。
(1)より多くの知見とよりよい決断が得られる多元的かつ実用的な結果
(2)エラーの可能性が低減するため、実験時間が短縮
(3)クローンごとに重要な産生特性の迅速で効率的な評価

 

ザルトリウス_図1_0.jpg

 

図1.Intellicyt® iQue アドバンスト・フローサイトメトリー・プラットフォーム。iQue プラットフォームは、使いやすい装置、ソフトウェア、試薬キットで構成されており、これらが連携して最適化されています。また、貴重なサンプルを節約し、試薬使用量を減量し、time to answer を最小限とするようにデザインされています。

 

■高速、微量、ハイスループットのサンプリング技術

 フローサイトメトリーを利用したザルトリウスのiQueプラットフォームの高速、微量、ハイスループットのサンプリング技術は、96ウェルプレートで5分、384ウェルプレートで20分未満のサンプリング時間で十分な量を実現します。サンプルは範囲を定めたエアギャップ流中(特許取得済み)で検出器に送られ、プレート全体のデータは一度に処理されます。

 

■エンコーディング技術による強力なマルチプレックスアプローチ

 iQueアドバンスト・フローサイトメトリー・プラットフォームは、サンプル中に細胞およびビーズを入れたハイスループットアッセイを行い、エンコーディング技術により強力な多重化アプローチを実現します。エンコーディング技術により、科学者は同一実験の中で、さまざまな対象抗原を有する細胞またはビーズの複数集団をアッセイプレートのウェルに混合し、複数の標的抗原に対してスクリーニングを行うことができます。これにより、抗体スクリーニング促進活動の検出力および堅牢性が非常に向上し、スクリーニング作業が強化されます(図2)。

 エンコーディングの理由
(1)標的抗原および対照抗原に結合する抗体を同時に検査します。これにより各ウェル内で内部標準の対照が得られ、ヒット抗体発見に対する自信が向上します。また、1次スクリーニングに対照抗原を含めることで、2次カウンタースクリーニングの必要性を軽減でき、全体の抗体スクリーニング作業が効率化されます。
(2)関連抗原の交差反応性をスクリーニングします。エンコーディングにより、科学者は複数の抗原を一次スクリーニングに含め、サイトカインなどの標的抗原ファミリーに結合する交差反応性抗体を検索することができます。この技術を利用し、複数の動物種の標的抗原に結合する抗体をスクリーニングすることができます。この点は、毒性および有効性の動物モデルで使用することもできるヒト標的抗原に対して、特異的な治療抗体を開発する際に重要です。
(3)複数のプロジェクトを1つのスクリーニング促進活動に統合します。エンコーディングを利用し、関連性のない複数の抗原に対して1つのライブラリをスクリーニングすることもできます。また、さまざまな対象抗原を提示したエンコーディング細胞またはビーズを含むアッセイプレートを設定することが可能です。同じスクリーニングで複数の抗体ライブラリを検査することができるので、ワークフロー全体が大きく改善します。

 

ザルトリウス_図2.jpg

図2.細胞抗原については、さまざまなホモログを発現した細胞が色素によりエンコーディングされます(A)。可溶性抗原は色素コーディングビーズにキャプチャーされます(B)。エンコーディング細胞またはビーズを混合して、抗体ライブラリを含むスクリーニング用プレートに加え(C)、さまざまな抗原に対する抗体の結合を測定します。

 

■結論: エラー削減と実用的な結果までの時間短縮

 クローンの発見および最適化には、平均6 ~ 12カ月を要することが報告されていて、活発なクローン候補はまれです。IgG濃度だけでなく、複数の細胞特性を利用して、抗体開発プログラムに最適なクローンを選択することで、クローン選択の不確実性を軽減します。

 iQueプラットフォームによって複数の細胞特性が同時にレポート作成されるので、mAb開発の次の段階に移行できる最も確実なクローンを選択することができます。iQueプラットフォームは、細胞株スクリーニングプロセスにおいて時間のかかる複数の工程を1つにまとめることで、クローン産生に関する貴重な情報を提供するとともに、時間と労力を節約します。

 

●iQue 3 の詳細はこちら
●ウェビナー「ウイルス研究におけるハイスループット・フローサイトメトリーとバイオレイヤー干渉法の利用

●その他の製品についてはこちらをご覧ください。

 


【お問い合わせ】
ザルトリウス・ジャパン株式会社
〒140-0001 東京都品川区北品川1-8-11  
E-Mail:info@sartorius.com
URL:https://www.sartorius.com

 

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