大塚製薬株式会社

医療関連事業
2023年1月10日

大塚製薬とシュレーディンガー社 中枢神経疾患領域における創薬共同研究を開始

 大塚製薬株式会社(本社:東京都、代表取締役社長:井上眞、以下「大塚製薬」)は、大塚製薬の子会社であるAstex Pharmaceuticals, Inc.(英国ケンブリッジ、以下「アステックス社」)とともに、Schrödinger, Inc.(本社:米国ニューヨーク州、CEO:Ramy Farid、以下 「シュレーディンガー社」)と、中枢神経疾患領域における創薬共同研究を開始しました。本研究は、大塚製薬とアステックス社の中枢神経疾患領域を含む構造生物学に関する豊富な知見と専門性に加え、シュレーディンガー社の物理ベースのデジタルプラットフォームを大規模に活用することにより、大塚製薬の中枢神経疾患領域における創薬研究を推進します。

 本契約により、シュレーディンガー社は創薬からリード化合物の最適化まで担当します。大塚製薬とアステックス社はそれ以外の創薬および臨床開発を担当し、大塚製薬の研究開発パイプラインの迅速な拡張を目指します。大塚製薬はシュレーディンガー社に対して、契約一時金および開発の進捗に応じたマイルストン、本共同研究で創出される製品の売上高に応じた段階的ロイヤルティを支払います。

 シュレーディンガー社CEOのRamy Farid は、「大塚製薬は10 年以上前から当社のソフトウェアの顧客であり、神経学分野における実績があります。今回の提携により、当社の技術を大規模に展開し、両社の関係を拡大できることを嬉しく思います。大塚製薬の新しいデジタル創薬における当社プラットフォームの幅広い採用が加速し、世界中の患者に新しい治療法を提供するという目標をさらに支援することができます」と述べています。

 大塚製薬取締役 研究部門担当(兼)大阪創薬研究センター長の周藤俊樹は、「当社は世界の人々の健康に貢献するため、独創的な発想や技術をもって革新的な製品開発への挑戦を続けています。シュレーディンガー社のデジタル創薬技術および大塚製薬とアステックス社のクライオ電子顕微鏡を用いた構造解析技術を生かした創薬力と低分子創薬における豊富な経験を結集し、革新的な医薬品創出を通じて、未充足な医療ニーズの解決に取り組んでまいります」 と述べています。

 アステックス社 社長兼 CEO のHarren Jhoti は、「当社が持つクライオ電子顕微鏡の手法を応用した構造解析に基づくドラッグデザインにおける情報と専門知識を提供することで、シュレーディンガー社との重要な創薬共同研究に大塚研究者と共に参画できることを嬉しく思います」と述べています。

【シュレーディンガー社について】(https://www.schrodinger.com/)

シュレーディンガー社は、物理学に基づく計算プラットフォームの先駆者であり、従来の方法と比較して、より迅速かつ低コストで、医薬品開発および材料用途の高品質な新規分子の発見を可能にしています。このソフトウェア・プラットフォームは、世界中のバイオ製薬会社や産業界、学術機関、政府の研究所にライセンスされています。また、多くの学問領域にわたる創薬チームは、このソフトウェアプラットフォームを活用して、満たされていない医療ニーズに対応するための共同プログラムや独自プログラムのポートフォリオを推進しています。1990年に設立、約800人の従業員を擁し、70カ国以上の顧客や共同研究者と取引しています。