プレスリリース

2022年09月05日

大阪府立病院機構大阪国際がんセンターと成人T細胞白血病・リンパ腫のバイオマーカーに関する共同研究契約を締結

 東和薬品株式会社(本社:大阪府門真市、代表取締役社長:吉田逸郎)のグループ会社である株式会社プロトセラ(本社:大阪府大阪市、代表取締役会長兼社長:田中政男、以下「プロトセラ」)は、地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター(場所:大阪府大阪市、病院長:左近 賢人 、以下「大阪国際がんセンター」)と、成人T細胞白血病・リンパ腫(ATL)のバイオマーカーに関する共同研究を開始しましたので、お知らせいたします。

【共同研究の経緯】

 プロトセラは、独自技術により、生体内のタンパク質やその断片(ペプチド)から有用なバイオマーカーを探索して新規の疾患検査法を開発し、自社の衛生検査所にて臨床検査事業を実施しています。プロトセラの事業計画では、新規検査法開発の対象疾患のうち、がんを重点領域のひとつとしており、大腸がんリスクマーカー(実用化済み)や、すい臓がんリスクマーカー(開発中)などに加えて、希少がんの早期発見に繋がるバイオマーカーの研究開発にも取り組みたいと考えています。

 現在、希少がんのひとつであるATLの治療では、できるだけ早い段階での診断が重要ですが、早期診断法が確立しておらず、その開発が望まれています。大阪国際がんセンターでは、ATLの早期診断法開発や、それによる治療成績の向上に資することを目的として、関連企業との共同研究を2021年より開始し、本疾患の新規マーカー探索や、治療情報データベースの拡充、整備を実施してきました。今年度の本研究は、厚生労働省の「令和4年度クリニカル・イノベーション・ネットワーク(CIN)推進支援事業」の補助を受け、大阪国際がんセンターおよび企業5社(参画企業:セラビジョン・ジャパン株式会社、株式会社アウトソーシングテクノロジー、BLUE TAG株式会社、MiRXES Japan株式会社、株式会社プロトセラ)の参画で実施されます。

 新規のATL早期診断法開発のためには、本疾患に係るバイオマーカーの探索や実用化が重要です。この分野の独自技術や経験を有し、がんを開発重点領域とするプロトセラは、本年度より上記研究班に参画する機会を得ました。本研究において、プロトセラは臨床試験の検査機関としての役割を果たすとともに、ATLの発症に関連する生体内のタンパク質・ペプチドバイオマーカーの探索や調査研究を実施し、ATL早期発見が可能な検査法の開発と、それによる治療成績向上への貢献を目指します。

【成人T細胞白血病・リンパ腫(ATL)について】
 ATLはヒトT細胞白血病ウイルスⅠ型(HTLV-1)の感染が原因で起こる難治性・希少がんです。ATLは、HTLV‐1感染者の5?10%の頻度で発症し、全国の感染者数は約100 万人、ATL 発症数は年間約700 例といわれています。(参考:国立感染症研究所 成人T細胞白血病とは)大部分の人はHTLV-1に感染していてもATLを発症しないことになります。発症者のほとんどが40歳以上の方で、60~70歳に最も多く発症します。従来は九州以南で感染者が多く認められていましたが、昨今都市部での感染者の増加が認められています。
 ATLには、早期の「くすぶり型」「慢性型」と、症状が進行して予後の厳しい「急性型」「リンパ腫型」の4病型があり、早期の「くすぶり型」「慢性型」の5年生存率は4~5割に留まり、さらに進行した「急性型」「リンパ腫型」では1割台と著しく低い状況です。ATLの治療成績向上のためには、早い段階での診断が重要ですが、現在、十分に確立した早期診断法はありません。


<株式会社プロトセラ>
 プロトセラは、生体に存在するタンパク質が疾患特異的に分解されて産生するタンパク質断片(ペプチド)のバイオマーカーとしての意義に着目し、独自開発のペプチドーム解析技術「BLOTCHIP?-MS法」を用いて、複数のペプチドバイオマーカーの組み合わせを指標に疾患リスクを判定する「ProtoKey?疾患リスク検査法」を開発しました。これまでに、「プロトキー?大腸がんリスク検査」を上市して臨床検査事業を開始し、現在、その他の疾患検査マーカーの開発を行っています。プロトセラは、ペプチドーム解析研究の成果を利用した検査サービスや独自技術の提供によって、東和薬品グループの一員として、「健康寿命の延伸」へのさらなる貢献を目指します。
http://www.protosera.co.jp/

<東和薬品株式会社>
 東和薬品は、研究開発・製造・販売をおこなうジェネリック医薬品の総合メーカーで、医薬品に関わるすべての方にとって飲みやすく、扱いやすい付加価値製剤の研究開発にも注力しています。また、「人々の健康に貢献します、こころの笑顔を大切にします」という企業理念のもと、健康関連産業における新規事業の創出にも取り組み、「健康寿命の延伸」に貢献できるよう、いつの時代も世の中や地域社会に必要とされる企業を目指します。
https://www.towayakuhin.co.jp/


以上

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