• 中外製薬は、COVID-19に対するcasirivimabおよびimdevimabの抗体カクテル療法について日本における開発権および独占的販売権をロシュより取得
• COVID-19に対する治療および予防を目的とした複数の後期臨床試験が進行中

　中外製薬株式会社（本社：東京、代表取締役会長 CEO：小坂 達朗）は、エフ・ホフマン・ラ・ロシュ社（本社：スイス・バーゼル、CEO：セヴリン・シュヴァン）と、COVID-19に対するcasirivimabおよびimdevimabの抗体カクテル療法（REGN-COV2）について、本日、日本における開発および販売に関するライセンス契約を締結しましたので、お知らせいたします。

　本抗体カクテル療法は、2つのウイルス中和抗体casirivimabおよびimdevimabを組み合わせ、COVID-19に対する治療および予防を目的として、リジェネロンにより創製されました。ロシュとリジェネロンは、casirivimabおよびimdevimabの製造および開発を共同で実施するとともに、今後、米国での販売についてはリジェネロン、米国外の製造および販売はロシュが担う契約を締結しています。このたびのロシュと中外製薬のライセンス契約により、中外製薬は日本におけるcasirivimabおよびimdevimabに対する開発権および今後の独占的販売権を取得しました。

　現在、グローバルでは、入院を要するCOVID-19患者に対する治療を目的とした第II/III相臨床試験、入院をしていないCOVID-19患者に対する治療を目的とした第II/III相臨床試験、家庭内におけるCOVID-19患者との接触者に対する感染予防を目的とした第III相臨床試験が、また、英国においては入院を要するCOVID-19患者に対する治療を目的とした第III相オープンラベル臨床試験（RECOVERY試験）が進行中です。casirivimabおよびimdevimabからなる本抗体カクテル療法は米国食品医薬品局（FDA）より、入院をしていない、軽度から中等度のCOVID-19の症状を呈する一部のハイリスク患者に対する緊急使用許可を2020年11月に取得しています。

　代表取締役社長 COOの奥田 修は、「COVID-19が社会のあらゆる分野に影響を与え、人々の健康や生命に未曾有の被害をもたらすなか、ロシュおよびリジェネロンとともに、この危機に対抗する医薬品の開発に取り組めることをうれしく思います」と述べるとともに、「日本においてもいち早くcasirivimabおよびimdevimabからなる本抗体カクテル療法をお届けできるよう尽力してまいります」と語っています。

casirivimabおよびimdevimabについて

　casirivimabおよびimdevimabはCOVID-19の原因ウイルスであるSARS-CoV-2による感染防止を目的として、リジェネロンによって創製されました。創薬過程においては、ヒト免疫機能を持つよう遺伝子組換えされた、リジェネロン独自のVelocImmune^®マウスによって産生された何千もの完全ヒト抗体、およびCOVID-19から回復した患者から同定された抗体が評価されています。2つの抗体は同時に投与され、ウイルスのスパイクタンパク質の受容体結合部位に非競合的に結合することで、SARS-CoV-2に対して中和活性を示し、ヒトの集団で発生したスパイクタンパク質に変異を持つウイルス株に対しても効果を示すことが期待されます¹。

上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。

出典

1. Alina Baum, Benjamin O Fulton, Elzbieta Wloga, et al. Science 2020 Aug 21;369(6506):1014-1018.